無題
おぼろん

いつもの言葉を忘れてしまった。
ラン、そして、アウェイ。
僕たちはいつも走っている。
それはランナウェイ?
どうやら違うようだ。
僕たちは逃れない。
僕たちは逃げない。
運命が僕たちを呪縛している。
憂鬱が僕たちの枷となっている。
それは、想いがあふれ出す魔法の壺のようなもので、
ありきたりの日常から、
僕たちを解き放ってくれる何かだ。
ラン、そして、アウェイ。
……ラン、そして、ファーラウェイ、
ならどうなのだろう。
何が僕たちを見止めてくれるのか、
それは永遠か。
果てしないものからの愛情か。
いつも以上の懶惰か。
それとも死か。
そうではないと願いたい。
一つの果物のように、ただあるものとして。
なぜなら僕たちの祈りは……、
それ以上は言わないことにしよう。
ラン、そして、アウェイ。
アウェイという言葉に、意味はない。
僕たちはいつも走っている。
人同士、無限に遠く離れたまま、
そこかしこで息をしている。


自由詩 無題 Copyright おぼろん 2020-05-14 20:12:07
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