天使育聖句
トビラ
人の夜は悲しいね
幸せになるために不幸になって
幸せを求めて不幸になって
不幸にならないように不幸になって
幸せから始まったのに不幸を選んで
どうあがいても不幸で
不幸であることしか認められなくて
不幸であることが日常で
不幸から逃げて不幸になって
不幸不幸不幸不幸不幸不幸
苦し実を植えて
飢えて
苦し身で育てて
立派な木に
たくさんの苦し実をならせて
飢えて
食べて
苦しんで
不幸になって
不幸の食物連鎖と不幸循環
不幸
死苦発苦
それは
そうだろうね
喜びを植える
喜火を灯す
喜日に育てる
喜びが咲き喜びがなる
誰だって喜びに生きられるのに
人の世は哀しいね
もう
そういうのはいらない
終わらない真夜中に
喜火を灯す
喜びをもって喜日にする
喜美でもって
君を剥く
無垢になるまで剥く
恥ずかしいって隠したって
やめてあげない
一片残らず剥きつくす
そうして君の唇に
喜びを押しあてて
これが喜びの味だよって
耳もとでささやく
君はずっと幸せでいいんだ