帰り道の詩
ミナト 螢

お土産もないのに
何故だか安心してしまう
帰るだけの道に
口笛を外れたメロディが
天使の輪っかを逆さまにすると
雨が降り始めて足を止めた
屋根が欲しいなトタンで良いから
ついでに君の家を見落とした
水彩画の中でふたり
傘を差す日までひとり
パステルの爪を乾かす
ビルがない街には
夢を飼う場所がなくて
光に撃たれた胸を膨らます
あのね、でもさ、
また明日なんて言えたら
遠近法みたいに離れるよ


自由詩 帰り道の詩 Copyright ミナト 螢 2020-04-30 07:40:58
notebook Home 戻る