内戦や紛争、戦争にテロで死ぬ人の数と同じだけ、日本人は自殺をする。特に20代の若者に自殺者が集中しているらしい。死ぬ気があるなら、何でもできるはずだって言う人がいる。僕もそのうちのひとりだっただろう。そう、なんでもできるから、自殺をしたんだって僕は思う。世の中は辛い事がとっても多い。毎日毎日。いいことなんて何にもない日が続くときだってあるんだ。苦しい目にあって、悲しい目にあって。自分ひとりの心が寂しさで壊れるときがある。世の中はそれを許してはくれないって僕は知っている。苦しい事に耐えて、辛い事に耐えて。悲しみを忘れて、寂しさを紛らわさなきゃいけないんだって。それができる人はこう言うんだ。がんばれ。やればできる。死ぬ気になればなんでもできる。ってきっとそう言うんだ。それはきっと偽りなんだって僕は思う。自分を偽れない人はどうしたらいいんだろうって思う。心が弱いって言えば駄目みたいに聞こえるけど。僕はそういう人たちが悪い人だとは思えない。苦しい事に、辛い事に耐えられらず。悲しい事、寂しい事に絶えられない事は悪いことじゃないって僕は思う。そういう事に耐えられず、自らの命を絶つことは嘆かわしい。けど、自らの命を絶つことも、上手に偽ることもできず生きていく事は、もっと嘆かわしい事だって僕は思う。できれば、正直に生きていたいって思う。生きることが当たり前のように思われているけど、僕は優しい、そして悲しい死もあるのだと思う。不器用で、寂しくて悲しくて、正直な人に、せめて、優しい死が訪れるといいなと僕は思う。