孤独の伴奏
ミナト 螢

読みかけの文庫本で
贅沢なものを知りたくて
貯金箱を崩そうとする
夜だ
もう間に合わない気がしていた
今までの価値観を打ち破る
少女の空はスカートの内側
花火が上がるために広がり
一度くらいは物語のように
シンデレラの靴を履きたかった
探し物はいつでも透き通る
この道をただ歩くだけで
順番通りのページに
挟まった指をひとりで舐める


自由詩 孤独の伴奏 Copyright ミナト 螢 2020-04-22 16:40:55
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