メダカというサカナ
アラガイs

 
 
 ギョロリ

剝いても剝いでも うろこ

       動きを止めないなら止めてやろうか このやろうか
 ロッコ   
量子論的に考えれば数億個の       「無数」

  銀世界一面の波と泡   小さくて

凸水槽をかき混ぜて最後に残ったやつを掴み取るんだ。 俺が主人公なんだ。
メダカぐるぐると逃げ回る  俺、ぐるぐると眼が廻る
俺の眼が水槽からはみ出している  メダカはそれよりも大きい
網で掬う !  掴まえた  透明な水 いや、また逃げた      メダカ
離れてもおいかけてくる 銀世界一面の    
                          ヒカリ
             右眼        
                        

 ( これってスノーボールだよね )    ふるふる
止めたやめた  もう、勝手に生きてろよ

指先からこぼれ落ちる餌 捕縛者の曖昧な左側、鱗に包まれた
 淋しさ

 月が背を向けたまま一周するならば俺は二度と君に会うこともないだろう

世界は動きを止めない。












自由詩 メダカというサカナ Copyright アラガイs 2020-04-19 03:50:09
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