Morning Glory
むぎのようこ

衣のすれる音がする
明け方の雲にうすく
細い、オレンジ
つまびらかな膚に
そそいで
横目にそれて

意味もなく
十字をきって
さかさまに
花束を放って
その線上にさいごの
星がながれる

夜があける
まえぶれのその
しずけさに
水はあふれて
しずめられた私たちの
鳴き声が
ささやかに鼓膜を
割いて
もう、ずっと
鎮まりかえって

ふたたび
声が透るときを
目蓋に
めぐらせて
何度も
くりかえされた
朝を
いのっている













自由詩 Morning Glory Copyright むぎのようこ 2020-04-18 23:33:02
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