蟹座
丘白月

待ちくたびれて
恋も忘れて
宇宙の底に潜る
小さな恋の泡が
時おり漏れて
魂のように光り
誰か捕まえてと願う
静かに一羽の鳩が
宇宙を飛んでいく
白い心で泳ぐように
蟹の泡を咥えて
星座の浜辺に
並べながら
出てきてと鳴く
星雲の晴れ間から
ゆっくりと歩き出す
忘れていた恋の糸から
落ちないように
横歩きで


自由詩 蟹座 Copyright 丘白月 2020-04-18 21:31:03
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