満月とのっぺらぼう
ひだかたけし

春の夜に
煌々と浮かぶ満月は
闇に艶めく大地のあちこち
銀の涙を溢しながら
陶然として傾いていく

わたしは寝床でゆっくりと
その推移を辿りながら
迫り来る世界の無表情に
今夜もやっぱり耐えている









自由詩 満月とのっぺらぼう Copyright ひだかたけし 2020-04-07 18:37:03
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