オウト!
竜門勇気
気持ちいいことの
代償に死んじまった
真っ赤な蛇たちが
僕んちの前に並んでる
朝、目を覚まして
そんなもん見ちまったら
やあ、どうする?
僕は走った列の最後尾にいる
間抜け野郎はどんな顔してる?
流れてく彼らの横で
いろんな声を聞いた
「ここは寒いよ」「一人ぼっちは少しだけワクワクする」
「今日は誰殺した?」「爪伸びたね」
この行列にいる真っ赤な蛇
甘く緩やかな登り坂に
水滴をこぼしたような重さで
流れていく
彼らの横で僕は
僕は不規則に
流れていく
いつまでも続く行列に
頭は冷たくなってく
ただそれを続けていく
凍りついた思考を抱いて
思考が凍りつくことについて考える
なにかしか考えられないんじゃなくて
きっと、
ああ、きっと、
気持ちいいことってのは
赤い蛇を殺すことだ
じゃなきゃ
そうじゃなきゃこんな事は起きないはずだ
血まみれの世界で
立ちすくんで、泣いてるなんて
どこまでも途切れることのない
そんな冷たさはない
ただそれを目指してるんだ
タバコがない、くそったれ
死んだはずの赤い蛇
永遠のエンコーダーが
頭ん中にある
永遠はエンコードされて
回答できない問を僧衣に包んで
どこまで続くんだ、クソ
「双子って知ってる?」「あいつらそうらしい」
「もってるよね、釘」「寝袋すき!」
気持ちよさはきっと殺したんだ
この真っ赤な蛇たちを
いつまでも続く行列で
僕は無限に言葉を拾う
凍りついた部分には
温度のないものが積もるようになってる
何が怖かったのかを
思い出すようにして歩く
何が痛かったか思い出しながら
降り積もる言葉を
デコードしていく