依る夜
福ちゃん
空気清浄機が夜を吸いこみ始めたから
眠たげな目をした太陽が今日も出勤する
夜はなんだか悪いような気がして
なにもしていないのにごめんねと謝るんだ
僕はその表情に僕を重ねて
洗面台の前でひとり呟くんだ
ごめんね
夜ひとりだからって
君から電話来るのもう何度目だろう
少しそわそわして待っている
そんな僕に気づいて鼻で笑うんだ
だけど自分からは電話なんてかけられやしない
I was bornから1ミリも変えることができない
そんな姿勢に気がついて突然なよなよして泣いているんだ
夜をくぐれ
僕をくぐれ
こんな気持ちになりたくなかった
夜をくぐれ
僕をくぐれ
宇宙をくぐればすぐに届くさ