春の入り口で
丘白月

足元の春を越えて
いつもの朝が
バス停を通り過ぎて
橋の上から流れる朝日を見た

足元の蕾をよけて
春の色した風が
公園のベンチで休んで
明日は咲くよと言った

青空半分は宇宙の色
天に憧れる海の色
雲をかかえて
涙の天国だよと言った

桔梗撫子が心細く
空を見て背伸びする
春の色が花びらに溶けて
羽根になれと願った

新しい季節の入り口で
妖精の息を吸って吐いて
遥かな想いを見つける
魔法が解ける季節で


自由詩 春の入り口で Copyright 丘白月 2020-03-23 22:48:15
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