ありふれた公園
秋也

鰻が滑る滑り台
背から腹から
強化プラスチックの象
透明に子供の足形
無数
いくら踏まれようとも
登られようとも
笑っている
ブランコ
ブランコ
フラミンゴ
特殊な鳥は前世罪人だったから
飛べるけど逃げられはしない
鎖蛇は双頭奇形
ホルマリン
落書きは心臓に
放射能マークを
「私は公約を守ります」
どぶ板の上からパンダパンダ
遥か高みの透明の象から子供たち
演説を訝しがる
「つまらないね、もう帰ろう」
一人が夕焼けを見てポツリ
ポツリと雨のように帰り始める
ぶらぶらポツポツ
ブランコの右側
鉛筆一本落ちていた
寝れないだけだから
寝れない
ブランコの鎖は楔でスコーピオン

仲良く譲りあってね
世界を仲良く
今日も平和な公園
放射能漏れな心臓を透明な象の中にひた隠し
きっと守ってくれる
もろ見えだけど
でも動いちゃうなコレ

ただ落書きだらけのユニコーンも置いておこう
やっぱね
純潔だけが寝れてなくても乗れるのさ
αな遊園地のメリーゴーランドから賢そうな奴をぎってこなきゃ
大丈夫ブラボー
楽しくなる
蟻の砂山だ
鉛筆頂上に差さないと
遠慮しておく
「私は約束を守ります」
聞いているキリンもいないのに
遅くまでご苦労様
ここで一旦閉めますね
どうしたどうしたボタニカルが足りなかったぞ


自由詩 ありふれた公園 Copyright 秋也 2020-03-23 01:47:41
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