仮歌(omoide)
たもつ



昇り専用のキャバレーでした
あまり感情を表に出さない女性に導かれ
私はどこまでも昇り続けました
彼女のうなじには
一匹のハエがとまっていました
その羽の見事な曲線から
昔よく下った坂道までは
それほど遠くはなかったはずですが
気がつくと
いつも私は引きずられていました




自由詩 仮歌(omoide) Copyright たもつ 2005-04-10 22:40:57
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