雪虫
小池房枝

雪虫という虫を知らないが
今日、雪虫を見たような気がする
すうっと目の前の少し高いところ
お尻にちっぽけな綿のようなものをつけていて
体はなんとなく水色だったと思う

風の中、雪の匂いはしなかったが
どこか遠くに冷たい空気

人々という街の中の人々、私という器の中の私
空の上のほうの空気はいつも
入れ替わり続けているのだろうか新しく
新しく新しく四季でない季節ごとに



自由詩 雪虫 Copyright 小池房枝 2003-11-22 07:56:57
notebook Home 戻る