冬の海
丘白月

海に雪が降る
静かな波の上を
流れて染みこんでいく

砂金の砂時計のように
海の底に雪が降りつもる

サカナたちは
光の粒をみつめてる

冬の海の底
人魚は雪をあつめて
空を思い出している

深い海の底に
雪の種が眠る

春の日差しが届いたら
美しい真珠のような
花がうめつくす

そのとき人魚は
愛の音が聴こえる空へ
ブーケを持って昇る



自由詩 冬の海 Copyright 丘白月 2020-03-16 21:08:28
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