輪廻転生
丘白月
日曜日の図書館で
天井まで届くような
大きな書棚で二人はすれ違う
数えきれない本から
世界中の無数の魂が
過去から未来の二人を見守る
晴れていた空が
雲を誘って雨を頼む
このまま帰って別れるのは早い
前世で愛を誓って
来世で会う約束をして
やっとここまで来た二人なのに
失くした時間を
取り戻して欲しいと
二人を雨が閉じ込めている
前世の記憶のない二人
一つの本を譲り合って
言葉を初めて交わす
二人の魂の奥深くに刻まれた
前世の記憶が大丈夫だよ
今度はずっと一緒だと言っている
自由詩
輪廻転生
Copyright
丘白月
2020-03-12 14:10:27