口だけじゃんと言われても、何度も
AB(なかほど)

口だけじゃんと言われても、何度も、何度でも





祈りを忘れてしまう夜がいくつもあります
誰かが亡くなったことを耳にしない日はないというのに

ハンバーガーを食べながら
我が子にその意味を問われました





答えはまだ見つからない
のか
もうずっと前から
そこにあるのか
そのままに生きてゆく
世界の全てが優しさで包まれるように

花束と折り鶴が少しだけ風に揺れる
ように





やさしいひとが
笑えない世の中で
山河に吠えている

一体何と戦っているんだ

それでも
もっとやさしいひとが
壊れた土手を
治している





僕らは優しくなれる
罪多き生き物で
偽善を覚えて
利己主義であっても 
優しくなれる

もう会えない君へ
こんなにも寂しい思いをするのなら
口だけじゃん
と言われながらも
優しい言葉をかければ良かったと思う

もう会えない君へ
夏のグラウンドは暑かったね
冬の体育館は冷えたね
初めてのゴールはうれしかったね

もう会えない君へ
山、白く輝いて 
まぶしいよ





まだなんか。あんたのこころん中でくすぶっとる
真実が、うそにならんように、うそにならんよう
にて、わしはただただ願うしかないんかいの。
あんたのゆわはる正義てなんの事や。それで、誰
の魂が救われるゆうんか。自分の魂も、冷めてま
うんやないか。ほんでも、あんたにもわしにも、
まだ消されへんぬくもりがあるんやないか。 消
したらあかんもんが。その胸によく問うてみ。
わしもよくよく考えてみるわ。





スダジイの

樹の下眠る麦藁帽子

木漏れ日も

星影も


(幼い僕が初めて命を感じて
 泣いた絵 のような)





自由詩 口だけじゃんと言われても、何度も Copyright AB(なかほど) 2020-03-09 19:51:57
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