XO
ミナト 螢

大切な人を抱きしめたい
愛しい人に口づけをしたい
僕達はきっと恥ずかしいから
日本語の隠れ家を探してる
もっと軽くて証拠の残らない
気体みたいに乗りやすいもの
ハグやキスという面積が狭い
街のできごとに記号を選ぶ
指で送り合うサインは
血液型より恋に近くて
宇宙人のように時を忘れる
誕生日より炎に遠くて
恋人のように音が取れない
幸せだと思う瞬間は
着信履歴にこの記号がある
その意味は甘いジンジャーエールが
味をなくすまで続いたけれど
僕達は薄暗い明かりの下
体がコピー機でスキャンされた
紙がなくなっても止まらなかった


自由詩 XO Copyright ミナト 螢 2020-03-01 18:02:40
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