シアン
ミナト 螢

哀しみを連れた静脈の足が
絡まないように最初で解れた
細胞に涙を埋め込んでから
分裂するまでに人を許すの
その度に感情がこびりついた
メスシリンダーを数えて
汚れた色の血管は
消毒の後で使うために
疑いの眼差しを綺麗にした
静脈が戻らない夜は
心臓が拒む気持ちを恐れて
回転ドアをくぐった空の上
きっと流れ星を掴まえている
いつだって出発をしたかった
僕の身体に気持ちが走るなら
時刻表の裏で待ち合わせをして
破った方を渡すことにしよう


自由詩 シアン Copyright ミナト 螢 2020-03-01 07:56:42
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