goodbye days
ミナト 螢

クッションを抱いて
その中に閉じ込めた温もりが
冷めてゆく前に体を丸めた
まだ触れていない場所があったな
まだ聞いていない言葉があったな
もっと時間があると思ってたのに
駐車場は探さなくても良いなんて
耳から線を抜くような痛みのせいで
寝返りを打つと余白が増えた
君の胸への最短距離は
月まで走ったレールの途中で
欠けていく朝も満ちていく夜も
鎖骨に愛を埋めた指先を
シャツの上でなぞりながら
空気の形を僕に教える
幸せは折り紙が作るもの
歓びはしわが数えるもの
僕等が手や顔を合わせた日々の
出口を探し始めたら
きっと寂しさを贈り物にする
予告編は何を流すだろう


自由詩 goodbye days Copyright ミナト 螢 2020-02-21 08:07:36
notebook Home