葉書の木の妖精
丘白月


どれだけ眠っていただろう
首を横に倒した分だけ
太陽は枝の隙間を渡る

多羅葉の葉の匂い
胸に一枚置かれた言葉
ただひとこと妖精の文字
こんにちはと書かれていた

ありがとうと返事を葉に刻み
背中の跡に置いた

妖精の葉書を詩集の栞にして
続きを読みにあの森を探す

見えないけれど葉書で
思いを交換できる森を



自由詩 葉書の木の妖精 Copyright 丘白月 2020-02-09 11:02:54
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