物理学の定理
umineko
広島にいる私の水面と
室蘭にいるあなたの水面が
水平
だとするなら
大型客船の中のあなたと
日曜日のカフェの私も
きっと
同じ高さだとと思う
それはずっと連続していて
だけどどこかで安心してる
物理学は残酷だ
移動するには障壁がある
心には
距離がないんだよって
思おうとした私がいて
信じようとした私がいて
でも
物理学は正直だ
距離に比例して
気持ちは
まるで言葉みたいに
電送する魔法が欲しい
ウイルスは
コーヒーカップの持ち手のあたり
今日も
誰かの帰りを待って