物理学の定理
umineko

広島にいる私の水面と
室蘭にいるあなたの水面が
水平
だとするなら

大型客船の中のあなたと
日曜日のカフェの私も
きっと
同じ高さだとと思う

それはずっと連続していて
だけどどこかで安心してる
物理学は残酷だ
移動するには障壁がある

心には
距離がないんだよって
思おうとした私がいて
信じようとした私がいて

でも
物理学は正直だ
距離に比例して
気持ちは

まるで言葉みたいに
電送する魔法が欲しい

ウイルスは
コーヒーカップの持ち手のあたり
今日も
誰かの帰りを待って
  
  
  
  


自由詩 物理学の定理 Copyright umineko 2020-02-09 10:47:41
notebook Home