キスの詩
1月の睦月

初めてのキスはコンクリートのようだった。
鉄のように冷たくなった手で
そっとあの人の頬に触れる。

身を委ねたその顔は
美しい写真のように切り取られ
魅了されてしまったのだ。

その写真を破ったとき
それは彫刻になりまた魅了される。

私は芸術肌ではない、だのに
君の前では私でなくなる。

それを言うと彫刻は人に戻り
またまた私を魅了したのだ。


自由詩 キスの詩 Copyright 1月の睦月 2020-02-08 21:51:55
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