温もりと死
都築あかり

君の言葉より
体温計に記される数字より
今が何時何分かより

結局のところは
君の寝息や触れた温もりの方が
太陽が出てるのか月の満ち欠けの方が
あたたかいし、落ち着く

生きているって感じる
いつか死んでしまうのだと感じる

目に見える文字なんて数字なんて
無力なんだと思わされるほどに
人間は感じる力の方が強い

一瞬一瞬、猛スピードでつきまとう
感情に言葉が追いつかない

結局のところ
言葉は無力なのかもしれない

可視化するのは
いとも簡単であって
それに縛られてしまう

テレパシーでも使えたら
もっと温もりを感じられる?

でもそんなこと
きっと多分おそらく
いくら時間をかけても
期待しても、頑張ってみても
できっこないから

やっぱり言葉が数字が
必要不可欠であり、
指標なんだろうね

言葉も文字もきみも
いつかは必ず死んじゃう


自由詩 温もりと死 Copyright 都築あかり 2020-01-24 05:43:21
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