夜底
ひだかたけし

蒼い夜底の真ん中
白壁の沈黙、ふと途絶え

薄い格子戸開ける女の白手
手招き三度、ゆらゆら揺れる

傷だらけの幼子の抱擁
骨組み晒し、癒されぬまま

格子戸の向こうに開ける界
二体の骸、硬化させ

忘却されいく現の顔
女の、哀しみ泣き濡れる






自由詩 夜底 Copyright ひだかたけし 2020-01-20 20:51:56
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