冬の窓
タオル




陽のあたる場所がすこしずつずれてきた

おとのないふゆ

そらの色はぜんめつし、

、、、

青なんていわないでいいのだ 透明のかさなりであろうと、

もうそれ以外のなにものでもない

すべての頭上のとおく

あるいは窓ぎわでちいさくまたたくように光る



ふゆはとてもよく仕込まれている

果実はつねに暖色で

蜜柑、柚子、レモン…

朝、ぬくもりのいろを手にたずさえて

立っている

若者か年よりかわからない距離で

影だけがくっきり刻みこまれている

石のうえにみっつ、レモンがあった




知らない人間が増えた町

おおきな犬がときどき吠える 

見えない何か、

はるか遠くからくる鳥たちが乗る気流を感知したか









自由詩 冬の窓 Copyright タオル 2020-01-19 18:41:48
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