日暮れに口をあけてる
帆場蔵人

そこにいて、あそこにいて
あちらにもこちらにもいる夕ぐれ
夕まぐれ、ぽつりと川の中洲に
陽が落ちている、ぽかんとしている

誰もが知っていて誰も知らない
歌を烏が知らないよ、と歌う
なんだかぽかんとしてしまう

みんながみんなぽかんとしてる
あのぽかんから何が出てくるのだろう
ぽかんとせずにみていたけれど

陽が落ちてなんにもみえないから
ぽかんと口を開けたまま川風が
なんとも気持ちのいい夜です


自由詩 日暮れに口をあけてる Copyright 帆場蔵人 2020-01-13 03:13:45
notebook Home