ショッピングモールにある
スターバックスは行列だった
店員さんは慌ただしく
注文をとる係と
ドリンクを作る係と
仕上げて渡す係とに別れて
効率よく動いていた
照明はあえて明るすぎず
影を利用しており
内装は木材を用いて
おしゃれな雰囲気だった
私は期間限定の
ほうじ茶クリームフラペチーノを
注文した
会計を済まし待っていると
仕上げて渡す係の人が
少し混乱しているように見えた
無理もない
私ならバックレる自信がある
（だって私だぞ？
バックレないはずがないだろう）
何気なく見ていると
ドリンクに乗せるクリームが
私の分の途中で切れたみたいだった
ドリンクを作る係の人が
慣れているらしく予測して
替えのクリームを用意していた
仕上げて渡す係の人は
替えのクリームを手に取り
私の分にクリームを乗せていく
その手が震えていた
もしかすると、いや何割かはきっと
見られていたからだと思う
私は誰かに見られると
（見られていると思うと）
身体が強張ってしまう
店員さんを見ていたのは私だった
私みたいな見てくる客は
じわじわねちゃねちゃで嫌なのだ
死ねばいいのにトゥーミー
もう手遅れなのだが
自分なりになるべく優しい感じで
ドリンクを受け取って
黄砂の混じった風のように
その場を去った
ほうじ茶クリームフラペチーノは
とてもおいしかった