空耳の夢
丘白月



足踏みオルガンの
空気が少し抜ける音
いつも私が座る事が多い

買い替えてと言えば
捨てられてしまいそうで
言い出せなかった

赤トンボはいつも
あのオルガンに止まってた
雪ダルマはいつも
校庭でオルガンを聞いてた

古いオルガンの
狂った1度さえ暖かく
今日もカラスが笑ってる

使い捨ての言葉が
降り積もっていくなかに
愛だけが埋もれた

となりの和音に恋してた
ユニゾンでキスしたいと
そんな音が耳に残る


自由詩 空耳の夢 Copyright 丘白月 2020-01-12 19:31:47
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