フェイクファー
ミナト 螢

空には嘘を付けない気がする
ネックレスの鎖が切れても
また繋ぐような水色の風に
出会ったことがあるから
人の間に生まれる絆も
ずっと信じて良いのかな
雲の切れ間に鏡を持っていて
互いを照らしながら道を作る
期待が体を抜け出す時には
白髪がたくさん落ちてしまうよ
魂の糸を抜くように
編んだ言葉が誰かを包み
安物のコートが高くなる
空という場所で広げた時代の
カタログはもう薄くなってゆく


自由詩 フェイクファー Copyright ミナト 螢 2020-01-10 14:44:26
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