秋葉竹


ふたり、
そのメロディーを聴き
冬の青空を眺め、
とても
たいせつな、
でもガラクタみたいな竹とんぼが、
紙吹雪みたいな軽さで
ただ、
風に舞っている
悲しみを、知った。

あの、新しい絶望を、
その、孤独から掬い取ろうとするから

ふたりぼっちの寂しさの数だけ、
孤独は凍りつくのだろうか?

安っぽくても、
ふたりっきりで生きて行くと、
誓ったんだが。


ふたりのあいだの涙を、
ぬぐってくれる優しさを、

世界の罰の渦から、
逃れるためのものである、
とするのなら

この、
静かすぎる世界の隅っこでは、

終末の、
みわたすかぎりの茜色の風が、
ふたりのこころの奥に
いつまでも消えることなく
吹きすぎて行くことだろう、

そのときは
そのメロディーも、
茜色にほおをそめるのかも
しれない。






自由詩Copyright 秋葉竹 2020-01-09 22:16:43
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