果物
存ゑくべる

見ると木には柿のような実がなっている
もっじく手立てがわからないぼくはいつもダメにしてしまう
たまにうまいこともっじいてみても籠のなかで腐らせる

図鑑をのぞけば似たようなものが載っている
誰かに食わせるつもりにもならない
自分でもろくに食えないのだ

時季がくればまたみのる
今年も熟したそれをつつきにくる鳥たちが憂鬱だ
番のつもりでぼくは今年もうまそうな果物を見上げている


自由詩 果物 Copyright 存ゑくべる 2020-01-08 22:47:36
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