蝶々の羽
いのせんと
あなたの背中にくちづけて、温もり
こんなにも、こんなにも、近く
吐息、耳元に感じて
どうしようも、ないのです、と
唇は嘘をつけなくて
いっそう強く、求めてしまっているのです
想いはとめどなく、溢れてしまいそうで
いけない、と 制する理性など
欠片も、どこにも、有りえも、しない
羽、震えるたび
羽、羽ばたくたび
ちぎれ、ちぎれ、ちぎれ
あなたの腕の中、羽ばたくたび
醜く、ちぎれてゆき
空を飛び回ることなど、不可能だ
それでも良い
それでも良い
その腕に抱かれ
鼓動、吐息、温もり
感じられるのなら
空など
二度と
それを、罰だというのなら
望んで受けよう