新宿
ミナト 螢

ベルトの穴のように落ちても
地下へ潜って繋がる通路が

ゲーセンの出口みたいに広がり
景品になった気分で歩く

あちこち見ながら指差されるまで
誰かのために動いて来たから

包装紙でくるんだプレゼントを買い
イルミネーションに奪われそうだ

蜘蛛の巣に良く似た青い電球が
樹々を囲んで地下鉄が止まる

この場所で飲むコーヒーは
忙しくて味を忘れるけど

何度も通う理由になっている
おかしいでしょうそれでいいのさ

入れ替わる人が作る街なのに
同じような顔をしてる不思議

街が残した遺伝子はきっと
エスカレーターで交換された


自由詩 新宿 Copyright ミナト 螢 2020-01-01 07:53:54
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