螺旋
ミナト 螢

空き缶や地面は冷たくなるから
もう蹴るものがなくなって来たよ

足の裏を合わせて飛び出せる
ふたりのロケットがゆらゆらと

熱を重ねた新しい軌道に
幸せを乗せて不安になるほど

薄いガラスの心を踏んだ
螺旋の女神は笑わなかった

無意識のうちに落ちていく穴
暗闇とは違う季節の瞳に

レンズを入れて迷わないように
ふたりのロケットがふらふらと

膝を崩しながら着陸しても
回り続けた背中をえぐるまで

シーツの先に結んだ約束
螺旋の時間を一緒に生きたい


自由詩 螺旋 Copyright ミナト 螢 2019-12-30 12:27:15
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