ナマズの底には
竜門勇気


一人の幅の中にはない
あなたのいる場所なんて
誰にも手の中になんかもってないから
あなたなんて誰も認識なんかしてない
それが一人ぼっちなんていうなら
誰だってそうだろ?
覚めそうな夢の中でふわふわと
繰り返してる覚醒の話なら
じゃあ、なんなら聞き飽きてる

一人のいる場所なんて
あなたが感じてる孤独すら
誰もが手にしてるうわの空
あなたの手の中にある不自由は
それが一人ぼっちなんていうなら
誰がそうじゃなくていれるのか
私が違っていて
部屋に戻って想像上の隣人と
術のない気持ちをわかちあう

わたしは
そんな諦めと
やりあうほど屈強じゃない
わたしの
一人は
そんなによく出来た
壊れた仕組みではなかった


自由詩 ナマズの底には Copyright 竜門勇気 2019-12-27 13:38:31
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