幸福を満載に積んだトラック
こたきひろし

幸福を満載に積んだトラックも
ガタガタの悪路を走っていたら
荷台から落ちるよ
幸福は縛り付けておけないからさ

人は誰でもするよね

誰かと自分を比較したら
自分は幸せだって
でも
もう一人の誰かと比べたら
幸せじゃなくなることが

私はたぶん幸せなんだろう
そう思える反面
私はたぶん幸せじゃない

そうさ
私の幸せの定義はあやふやであいまい

今日の幸せが
明日は色褪せてしまい
幸せに思えなくなってしまうし
反対に
昨日のふ幸せが
今日はキラキラと輝く事もある
不思議だな
いい加減だな


そして
私の幸せの感度は鈍い
なのに
ふ幸せの感度は鋭敏なのさ

そうさ
馬鹿みたいにいつまでも待っていても
幸せを満載に積んだトラックなんて走って来ないよ

気づいていたよ
解っていたさ

なのにさ
トラックの荷台は空っぽなのに
空しい夢に
しがみついて
しがみついて
必死にしがみついて
振り落とされたくない
自分がいるんだ



自由詩 幸福を満載に積んだトラック Copyright こたきひろし 2019-12-24 06:38:53
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