抽象と具象、そして写生
こたきひろし

絵筆ではなく
言葉のペンでするスケッチ

現実からかけ離れた場所に椅子を置いて
そこに身を委ね
手には大学ノートではなく
スマホを持ってる

頭の中で思索を巡らしていたら
そこからみえる遠景は
宇宙まで広がっていく

時間は過去から未来へと
光は
暗闇の中から
何の前兆もなく突然あらわれたりして

そして
死は依然として側に横たわっている

樹木や草花は
枯れたり
萎れたり

荒野をかけめぐる渇いた風に
痩せた心はヒリヒリする

さて
詩でも
スマホに打ち込もうか

ネットの儚い宇宙に
籠から
鳥を放つみたいに


自由詩 抽象と具象、そして写生 Copyright こたきひろし 2019-12-23 07:12:21
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