エゴ・エリス ―前置き
PAULA0125
これは瀆神に非ず 篤信の祈りなり。
さる罪深き女が
陶酔と法悦に見出した
祈りの散文である。
故にこの書に法則は無く 拘束も無く
また侮辱を受けるに値しない。
ダビデの子よ。
貴方の慈しみと寛容を信じて紡ぐ
罪人が記した罪人の祈りを祝福したまえ。
怒りを捨てず 憎しみを捨てず
人が人で在る限り犯しうる罪の衣を
脱がぬと決めたこの道を
祝福し給えり我が神よ。
この指を御身が遣わしし芸術の女神に委ねる。
故にこれは神の言葉であり 人の言葉である。
さすれば人は 御身について必ずや知る。
何故なら我等は貴方であった。
そして貴方は我等になった。
神の如く汝が隣人を愛せよ
主が示して下さったように。
聖者の如く神を褒め奉れ
日毎に見た神の子が祈るが如く。
そして弱者のように筆を執るが良い。
今まさに
我は汝なりき 汝は我にならむ。
共に歌え 王国の祈りを!