少女の鏡
ミナト 螢

溜め息で割れるほど壊れやすい
チョコレートの鏡は青春みたい

甘く溶けていく間に消えて
胃の中で重さを感じるから

戻ることのできない後悔を
虫歯が痛み出して始めるの

あの人の笑顔がたくさんあった
四角い窓の隣で見つめたくても

残された銀紙の皺を伸ばし
何も映せずに光を待ってる

私の椅子を重ねて届くなら
もう一度だけ窓の外を見る


自由詩 少女の鏡 Copyright ミナト 螢 2019-12-22 19:55:52
notebook Home