艶姿
秋葉竹



くちのなかで飴玉転がし
立ち消えた、
甘酸っぱい感情を
想い返す


作られた梅の酸味は
さらに人工的な丸い味がする

冬は、寒いから、嫌いだ

死んだ人のことも
忘れられない

あの人の肌の味は
どんなだったけ?

窓の外には、白雪がふる
私は、舌先で
小さくなった飴玉を
転がしながら

あの人のアルバムを
みている、去年の
正月の着物姿の


くちのなかで飴玉転がし
立ち消えた、
甘酸っぱい感情を
想い返す






自由詩 艶姿 Copyright 秋葉竹 2019-12-21 14:53:12
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