捨て猫の君
都築あかり

いつもいつも君はそこにいた

いつもいつも捨て猫のような目で
僕を見つめるものだから

いつもいつも連れて帰りたくなった

いつもいつまでもそこに
いてくれるものだと
信じてやまなかった

僕には君を拾ってあげることが
出来ないんだよって
心で呟いたのだけど

君はみんなそれぞれ何かしら
理由があるのよ
わかってるのよ
と言わんばかりの
凛とした顔を見せて

今日も寒空の下
どんなことを思っているのだろう

他の人に幸せにしてもらっているのか
はたまたもうこの世からは
いなくなってしまったのか

僕にはわからないけれど

いつもいつまでも
なんてものは
僕の幻想であり
エゴでしかなかった

いつもいつも僕は
エゴを人に押し付ける

いつもこれからも僕は
君に恋をする


自由詩 捨て猫の君 Copyright 都築あかり 2019-12-20 11:53:07
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