一匹の雄
viraj

憶念せよ。君はおぼえていますか。あの日、全会一致で私は、教団から破門され、この世から消え去ったことを、あのとき私はあらゆる劣等感から解放され比較によらない自信を手にしたのだった。 
もう永遠に戻ることはない。今このときはなんてかけがえがないんだろう。
咲き誇るシクラメンに劣らずソロモン王は美しかった。
走馬灯よ。 
僕と君は付き合いはじめてもう半年になるね。
走馬灯よ。
あなたの名前は神。
僕がこの世から生きながらにして解脱したあのときも、きみは、悔しさと涙とともに半生を振り返らせてくれた。生きることは苦しいって本当にわかったとき人はこの世から生きながらにして解脱する。

今、またきみは僕の前に現れてくれた。
もう、人生から学ぶことはない。人生で学ぶことは真心だけだから。学び続けるその姿勢を学んだ人は、もはや人間ではない。
仮に超人というのがあったなら、それは人間になった人のことだ。君たちはまだ人間になってない。

君。力への意志こそが人生だなんてみんなわかってるじゃないか。
人生は楽しんだやつの勝ちだ。 

限りない悲しみと喜びを心から味わうこと。

それこそ生まれてきた意味じゃないか。

大悟する人は、死臭がする。走馬灯がその人を襲う。

人生たくさん傷ついたね。でも傷ついたことで強くなれたね。

僕が嫌いなブスフエミ、いじめっ子などが走馬灯となって蘇って来た。  

私はそれらに無関心で何一つ動じなかった。  

あらゆる嫌な思い出がフラッシュバックしたが、不思議なことに苦しみはなかった。

もちろん嫌な感じは多少するのだが、一切を受容しているがゆえに、それらに無関心なのであった。

愛があれば落ち着きがある。落ち着きがあるところに苦しみも悲しみもない。

悲しみそのものは悪くない。悲しみに混乱することが悲しみを存続するんだ。

一切は海の波のように海から出て海へ帰って行くのでした。 

私は、人生におけるスフィンクスの謎を解きました。

もう人生学ぶことはありません。

学び続けることができるようになったから。

ありのままに物事を見れる強さを持てるようになったから。

正当化非難する理性を意志で鎮圧し、間違ったことは即座に改めれる。

それができてこそ英雄ではないか。

英雄の心は女であった。

一匹の雄は、女によって作られたから


自由詩 一匹の雄 Copyright viraj 2019-12-18 12:41:15
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