むかし
はるな


むかし
ただの風だったころ
女の子がうらやましかった
くつ下が白くて
かみも頬ぺたも
ひかり、ぴかぴか

そして
ただの女の子だったころ
女たちがうらやましかった
手も足も自由で、
たましいも赤くたくましく
行きたいところへ行けるような顔

そうして
女だったころ、
もういらないとおもっていた
それはほとんど理解だった
風も、くつ下も、たましいも
なにひとつもう
いらないと理解して





自由詩 むかし Copyright はるな 2019-12-14 13:23:00
notebook Home 戻る