女ともだち
服部 剛

旅先で地元の友と会い 
焼き鳥屋にて
杯を交わす夜

こうしてサシで話さないと
知らなかったこともある

僕の知らないところで 
辛かったね
痛んでいたね
友達なのに気づくの遅くて
ごめんね
よく耐えた
あんたは偉い! 

もうぼちぼち、次に行こう

ネクスト、ネクスト、大丈夫
ネクスト、ネクスト、大丈夫
ネクスト、ネクスト・・・

そうして僕は思わず
熱燗のこちら側から
ビールジョッキのそちら側へ
手をのばし
机の上で、握手する 

「あっだかいねぇ、あっだかい
 このあっだかさを
 そろそろ誰かに届けるべ 

 お互いのハートの奥の暖炉に 
 火をべて」 

ささやかながら
寒がりな僕等から
寒がりな誰かさんへ
血のめぐる
この手をのばそう  




 


自由詩 女ともだち Copyright 服部 剛 2019-12-11 21:38:18
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