ミナト 螢

極彩色の街で振り返ると
逆光の中に落とした土曜日が
スニーカーの底で温められる

見つめ返してくれたのは
あなたなのか光なのか
もうずっと分からないまま

誰かの洋服の袖を掻き分け
鳥の羽根みたいに飛んで行けたら
あなたの熱で握って欲しいよ

たくさんの旗が揺れる街角は
光を包んで穴に落とすほど
人の顔が良く見えてくるから

私達が出会えなくても
日曜日に挟まれながら
幻を消した最後の心で

低い所や高い所まで
虹の鍵盤が鳴らす和音に
雨が絡んでく糸のように


自由詩Copyright ミナト 螢 2019-12-10 12:11:53
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