夢夜
ひだかたけし

口笛の奏で、目覚めてこの夜
澄んで響く何処から

明るい旋律音色のループ
微妙に低く高く震え魅惑の相

聴き入るうちに潮騒磯の香
漂いザワメキ布団が波打つ

扉開いて弓形の白浜
広がり誘い出され半月煌々

  ⊿〇

気付けば私は白装束
月下の衣は純白に映え

手招きしながら波間に立つ女
反り返る首筋の白く浮き立ち

波飛沫浴び濡れて艶めき激しく痙攣
今にも逝く様に私は堪らず二歩、三歩

身起し進めば沈み込む
白砂はドロリと液状に

戸惑う私に女の高笑い

)まだまだ未練がおありのようで

  〇⊿

笑い声は消え
再び口笛の奏で

飄々と木霊するこの夜陰
なお一層澄み渡り









自由詩 夢夜 Copyright ひだかたけし 2019-12-05 20:54:08
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