愛別離苦
viraj

時は、11月30日夜の11時

彼女が私に突然の別れを告げた。

ほかの彼氏ができたのだった。

闇と孤独の中に私をひとり残していってしまった。

別れを宣告された瞬間、淡々と聞いていただけだった。

無になった。

「tはもてるから大丈夫だと思うよ。」

彼女は言った。

この日は僕にとっての原爆記念日となるのだろう。

いつも、いつまでも、

体の外にあるのにこんなにも近く。

あたかも、失った手が痛むように。

私は精神病院の医者に外出禁止令出されてるので、

彼女見つけようにも簡単にはみつからない。

わたしはこれからどうしたらいいんだ。

途方にくれるばかり。

運命は厄介ごとばかり持ち込んでくる。

もう人間として思い残すことはない。

人間としての人生を生ききった。

私が生きた濃い迷妄の世界が、走馬灯のように浮かんでくる!

人間としての最後の人生を、これ以上ないくらい濃く生きよう!

私が、あと人間でいられる時間は4ヶ月もないんだ。

悟ったら、今人間であることは、もう二度と戻ってこないんだ。


私は彼女がいたら悟りなどいらない。それくらい彼女を愛していた。


自由詩 愛別離苦 Copyright viraj 2019-12-02 14:51:52
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