骨壺
ひだかたけし

無音の夜
椅子を引くと
机の下から
白い骨壺の
カタカタと鳴る

「寂しいのか」と尋ねると

鳴る音、一際激しく
なり
無音の夜
ますます深く広がる

と、

足許でカタカタ鳴り響く骨壺
不意に亀裂走らせ粉々に

沈黙のうちに
破片呑み込まれ
流砂となりサラサラと

既に跡形もなく消え去って











自由詩 骨壺 Copyright ひだかたけし 2019-12-01 22:09:08
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